プーこどもクリニック 静岡県浜松市中区西伊場町の小児科・アレルギー科に対応する医院です。

プーこどもクリニックは静岡県浜松市中区西伊場町の小児科・アレルギー科に対応する医院です。アトピー性皮膚炎や子育てに関するアドバイスを行っています。

Q


幼稚園に通っている男の子ですが、風邪薬を飲んでも鼻水がなかなか止まりません。こんな小さなこどもにも花粉症ってあるんでしょうか?
 

A


花粉症は春先の杉が有名ですが、夏にも秋にも起こります。症状としては、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどで、ひどくなると微熱が出たり身体全体がだるくなって、気力がなくなり勉強や家事ができなくなることもあります。
春先に、目をこする症状があって、透明で水のような鼻水が見られるようなら、杉花粉症も考えられます。かつては大人の病気と考えられていましたが、近年発症年齢が下がってきており、わたしも2歳での花粉症を見ました。皮膚テストや血液検査で確認してもらうことをお薦めいたします。
治療には、アレルギーの発症を予防する「抗アレルギー薬」というくすりや、点鼻、点眼薬、漢方薬などがあります。重症の人にはホルモン注射がありますが、一般的ではありませんし、すすめられません。
 

Q


アトピー性皮膚炎によく出されるステロイドホルモンの入った軟膏は、副作用が強いと聞きましたので、使わないで治療を受けたいのですが可能でしょうか?
 

A


ステロイドホルモン含有軟膏は、非常によい薬ですが、指示通りに使わないと、副作用もみられます。マスコミのまったく誤った報道から、多くのステロイド恐怖症を作り出してしまったのは、まことに残念でありません。「そちらはステロイドを使わないでアトピーを治しているとうかがって、、。」という患者さんがときどき来院して、クリニック違いじゃないかと思ったことがあります。おそらくは、スキンケアや食事内容改善だけで軽快した患者さんから、そのように聞いてきたのではないかと推察しましたが、使うべき時には使う、というのが正しい治療ではないかと思いますし、またそうしています。今でもステロイドを拒否する人はいますが、きちんと説明をして納得してもらえば、ほとんどの人は受け入れてくださいます。その効果などを説明してもなお、頭から拒否する人には、もちろん使わない治療法を選んでいきます。原子力発電所の事故や警察・自治体の裏金、政治家と企業の関係など、マスコミは悪を暴き弱きを助く方向をもっていただきたいと思います。ステロイド・バッシングで多くの患者さんが結果として苦しむことになったことは残念以外の何物でもないと思います。
 

Q


最近、よく「アトピービジネス」という言葉を目にしますが、どういうものか教えてください。

 

A


「アトピービジネス」とは、「アトピー性皮膚炎患者に対し、保険診療で認められていない治療で、営利を追求するビジネス」と考えてよいでしょう。「科学的にその効果が認められていない治療法」がメインで、その範囲は広く、健康食品の形をとるもの、この疾患に有効だと謳った石鹸やシャンプー、アルカリイオン水や超酸性水などの水、温泉水の販売、などなど新聞、雑誌などでも必ず目にしない日はありません。科学的な根拠がないにもかかわらず、医師がその宣伝をしていたり、その治療法が有効であったとの本を出したりしている例もあり、注意が必要です。なかなか症状がよくならないと、周囲からこれらを勧められることもあるでしょう。
信頼できる主治医とよく相談なさってみてください。
 

Q


血液検査で卵をやめるように言われましたが、食事療法をすすめるときに注意することがありますか?

 

A


食事療法をきちんとしなければいけないケースは、アトピー性皮膚炎100名中数名ほどですが、勝手に卵や牛乳を制限するのは危険です。やはり何を、どれぐらいの期間制限するのか、またいつになったら食べさせてもよいのか、きちんと指導を受けることが大切です。それには食事メニューをチェックしてくれる栄養士が医師と連携できる体制が望ましいと思います。当クリニックでは医師の指示に基づいて、具体的なメニューは栄養士が指導しています。今では多くのクリニックもやっているようですが、当クリニックが開業した当時(15年ほど前)、あまり自由に買うことができなかったアレルギー代替食品などを試食したり、また参考となるおやつやおかずなどの料理メニューを栄養士に調理してもらい、それを試食したりする会をやっていました。対象は幼児がメインでしたが、次第に早期に診断してなるべく早くから治療を始めるという方向となり、今では食物アレルギーで食事療法が必要な年齢は1歳以下がほとんどとなってきました。そこでこのような試食会はあまり意味がなくなり、現在では母乳を与えている母親の食事チェックに重点を置くようになっています。また、代替食品もかなり市販されるようになったので、こちらで取り寄せてお分けする必要もなくなりました。正しい食事療法は、「除去食」「代替食」「発育のチェック」なので、ぜひ栄養士とチームで治療をしてくれるクリニックを選ばれるとよいでしょう。

 

Q


目のまわりがいつも泣き腫らしたように赤く、かゆみのため掻いています。身体に塗る薬を塗ってもよいのでしょうか?
 

A


目の周囲の発赤やかゆみが繰り返される場合、多くは外部からの刺激が考えられます。かゆくて掻いてしまうため、繰り返し悪化する例が多いのですが、うつ伏せ寝をやめるだけで改善することもまたよくあります。目に入ってしまってもよい軟膏がありますので、それを使いますが、それでもよくならないときは、もし水泳教室に通っているなら、プールで使うゴーグル(水中メガネ)による接触性皮膚炎を疑います。これは使うのをやめればすぐに改善します。
かゆいのはつらいものです。「掻くな!」と制止してばかりはよくありません。冷たいタオルでそっと拭いてあげるだけでもかゆみは軽くなるものです。

 

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