発熱は親にとってたいへん心配な症状でしょう。実際にあわてて救急車を要請する家族もいまだに見られます。発熱は生体防御反応のひとつですから、風邪などは発熱により抗体産生が進みます。解熱剤はこれを止めてしまうので、嘔吐や咳がひどくなく、全身症状もそれほど悪化していなければ、冷やすだけで解熱剤を使わないほうがよいと考えています。熱が出たらすぐに解熱剤を使うよう指示する小児科医もまだ多いようですが、夜間眠れないとき以外はなるべくは控えたいものです。実際に、そのようなお話をしますと、ほとんどの親は解熱剤を使わないで乗り切っています。呼吸がおかしいとか嘔吐するとか心配なら連絡をするようにといって、安心してもらえば、解熱剤を何回も使うようなことにはなりません。小さなこどもに成人が使うような坐薬を処方されていることもあり、安易な使用は医師も親も控えたいものです。
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